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計測では、3線式熱線流速計を用いて速度の3成分を同時計測し、解析処理によって平均速度成分とレイノルズ応力成分を求めた。先ず、流れの性質がよく調べられている円管と平板まわりの流れを計測して計測システムの精度を確認し、次に、船体まわりの流れを計測し、結果をデータベース化した。
SR196A船型のプロペラ面位置における計測結果を図5.1.3.1に示す。(a)図は主流方向速度uの分布、すなわち伴流分布を、(b)図は面内速度成分を示す。船尾縦渦による伴流分布のくびれと、渦運動が見える。レイノルズ応力分布の計測例として、(c)図に直応力であるυ’分布を、(d)図にυ’分布を示す。(a)図と比較すると、両者は共に速度勾配の大きな部分で大きな値をとることが分かる。SR196A船型よりも船尾断面がU字型に近いSR196C船型について、プロペラ面位置における同様な計測結果を図5.1.3.2に示す。C船型では船尾縦渦がA船型よりも更に強く、伴流分布が大きく変形し、渦中心も外側に移動している。
以上のようにして得られた計測結果が、乱流モデルの改良に活用された。

 

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図5.1.3.1 SR196A船型のプロペラ面位置における計測結果

 

 

 

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